引っ越し難民が続出した2019年
毎年2月の後半から4月初旬までは引っ越しが集中します。
進学や就職、転勤などで転居が必要になる人が多くなるためです。
引っ越し繁忙期となる春ですが、2019年の引っ越しシーズンは例年以上に慌ただしいものとなりました。
引っ越しをしようと思っても、空いている業者がなく、引っ越し難民となる人が続出。
予約が取れてもいつも以上に高い料金を請求されるケースも多く、ニュースなどで話題にもなりました。
世間を騒がせた2019年の引っ越し難民ですが、2021年の春はスムーズに引っ越しできるのでしょうか?
2021年も引っ越し難民が発生する可能性は非常に高い
非常に残念なことながら、2021年の引っ越しシーズンも昨年同様引っ越し難民が生まれてしまう可能性が高いです。
引っ越し難民が続出した背景には、引っ越し業界の人手不足があります。
引っ越し業者に限らず、運送業界は全体的にドライバー不足です。各社がドライバーの取り合いをしているような状況です。
通販などで運送や宅配の需要は年々高まるばかり、しかしその一方でドライバーは需要に答えられるほど供給されていません。
理由はいくつかありますが、ドライバーの待遇が良くないのも大きな理由の一つです。
長時間労働やパワハラ、賃金未払いなどの問題が次々に明るみになり、離職者が増え続けています。
当然、新規にドライバーになる人も減少しています。
荷物を運べる人がいなければ、引っ越しを請け負うことができません。
需要に対して供給が大幅に減ってしまっているため、引っ越ししたくてもできないという事態になってしまったのです。
ドライバーを確保するためには、待遇を良くするしかありません。賃金を上げればその分だけ引っ越し料金も上げることになります。
働き方改革も引っ越し難民が生まれる原因の一つです。
労働時間を短縮すれば、当然引っ越しできる件数も少なくなります。
今まで早朝から深夜までぎゅうぎゅうにスケジュールを入れて引っ越しをしていたような小さな業者でさえ、労働時間を短くしなくては人員が確保できなくなっています。
引っ越し件数が減るということは、それだけ売上も減るということになります。
いつもと同じように売上を確保しようとすると、やはりまた引っ越し料金を上げるしかありません。
繁忙期に高くなっていた引っ越し料金が更に急騰したのには、人件費と引っ越し件数という2つの理由があったからなのです。
ドライバーの待遇改善を考えると良い変化とも捉えることもできますが、それでも直前になって引っ越しできないとなっては困ってしまいます。
引っ越し難民は今後も続く
2019年に限らず、春の厳しい引っ越し事情はしばらく変わりそうにありません。
人手不足が解決する見込みはなく、今後も労働環境の改善が推し進められていくことを考えると、料金がさらに高騰していく可能性もあります。
今までブラック体質に支えられていた運送業界の体質が変化していくのは喜ばしいことで、改善によって料金が適正なものに近づいていくのは当然の流れだといえます。
予約が埋まっていて取れない問題はともかく、繁忙期の引っ越し料金の高騰はこのまま定着すると見ておくべきでしょう。
引っ越し難民にならないためには繁忙期を避けるのがベスト
引っ越し費用を抑え、難民となるのを防ぐ一番の方法は繁忙期を避けることです。
ドライバー不足とはいえ、繁忙期以外は今まで通りの引っ越しが可能です。
土日や祝日は混雑傾向にあるものの、予約も取れますし、価格交渉も可能です。
どうしても繁忙期に引っ越しせざるを得ないという場合は、早めに業者を確保するしかありません。
引っ越しの予約は早いもの勝ちです。
直前になって業者を捕まえようとしても手遅れです。
引っ越し業界でも、企業に対して引っ越し時期をずらせるよう呼びかけています。
完全に引っ越し難民を解決するためには、ドライバーの確保だけでなく、社会全体が協力してピークを変えていく必要があります。
引っ越し時期をずらすメリット
引っ越しのタイミングをずらすことは、引っ越し難民にならずに済むという以外にも大きなメリットがあります。
まずは物件をじっくり探せるということ。
繁忙期の引っ越しに向けて物件を探す場合、当然対応する不動産業者も繁忙期にあたります。
いい部屋は早いもの勝ちになりますから、ゆっくり物件を見学したり、比較したりする時間がありません。
不動産屋の対応もあまり良くありません。
引っ越し業者も同じです。
繁忙期を避ければ価格やサービスをしっかり比べられます。
価格交渉もしやすいです。
時間に余裕があるので引っ越し業者の対応もよく、安いだけでなく気持ちよく引っ越しができます。
賃貸に住んでいる人の場合、更新月の関係で3月に引っ越しを考えるケースが多いです。
更新のタイミングで引っ越せば更新料を節約できるからです。
しかし、本当に更新料を節約するのがお得とは限りません。
3月に引っ越しすると引っ越し料金が高く付きますし、安くて良い物件を探す時間の余裕もありません。
更新料を節約しているつもりが、実はずっと無駄な出費をしているという可能性も高いのです。
6月の引っ越しがおすすめ
引っ越しのタイミングとしておすすめなのが6月です。
5月頃まではまだ繁忙期の余韻が残っているのですが、6月にもなると引っ越し業者も落ち着いています。
希望のスケジュールで引っ越しできるでしょう。
物件を探すのにも都合が良いです。
4月以降は新規契約が減るため、部屋が余っている状態になります。
6月になっても空いているような部屋は安く借りられる可能性が高いです。
より安く引っ越しなら価格交渉を
繁忙期以外なら価格交渉でもっと引っ越し費用を安くすることができます。
ポイントは予定の空いている業者を探すことです。
予定が空いているかどうかは価格交渉でうかがい知ることができます。
まずは一括サービスを利用しいくつかの業者に見積もりを取りましょう。
荷物が少なければ希望日時や場所、荷物量を伝えれば電話口でもおおよその価格を知ることができます。
見積もりが揃ったら一番安い業者の価格をチェックし、最安値以外の業者に交渉を試みます。
交渉は簡単で、他のところは同じ条件でこの値段だったが、もっと下げられないかどうか聞くだけ。
スケジュールが埋まっている業者の場合は交渉をしても渋られることもありますが、仕事のない業者の場合は多少料金が低くても応じてくれる可能性が高いです。
引っ越し料金は宅配の料金のようにわかりやすい価格表はありません。
スケジュールの埋まり具合やドライバーの確保状況によって料金が左右されるためです。
繁忙期の価格が高いのもそのためです。
しかし、繁忙期を避け、業者のスケジュールが空いていそうなタイミングを狙えば安く引っ越しすることもできるのです。